140年と120年、そして111年

 今年2023年は学校法人聖学院の創立から120年目、しかも、その礎をつくった宣教師が来日してからちょうど140年目にあたる大切な年にあたります。 
 聖学院は今から140年前1883年に二組の宣教師夫妻が来日するところから始まります。江戸時代が終わってまだ16年という当時の日本、そして最初の布教の地として選んだ秋田のことを想像すると、その宣教は命懸けだったことは想像に難くありません。
 あのとき4人が、人々から受けた差別、不自由な言語への嘲笑や、いわれのない迫害、さらに秋田の冬の厳しさなどを理由にあきらめていたら、今のわたしたちはここにいないことを思うと、先人たちの強い思いや、かたい信仰、熱心な祈りによってすべてが支えられてきたことを思わずにはいられません。 
 わたしたち聖学院幼稚園も今年創立111周年を迎えました。昨年の110年も特別でしたが、1が並ぶ111年も特別な数字に思います。111年間、戦災や震災、いくつもの伝染病などの困難を乗り越えて、どんなときでも、いつもここにはこどもたちの元気な声が響いていたことでしょう。  
 いつもご理解とお支え、そしてあたたかいお祈りをありがとうございます。わたしたち聖学院幼稚園はこの創立記念の時、教職員一同、心新たにし、次の112年目へ向けて、笑顔あふれる幼稚園として歩んでいきたいと思っています。

                                  園長 田村 一秋
                           (2023年11月「なかよし」巻頭言)