神さまの愛はしみとおる

 毎週月曜日、聖学院幼稚園の子どもたちとささげる礼拝が私にとってかけがえのない時間の一つです。子どもたちに聖書のお話ができるからということもありますが、それとは別の楽しみがあります。最近の私の礼拝の楽しみは、子どもたちが讃美歌を歌っている姿を見ることです。歌っている時の表情には、その時の心情が反映されていると私は感じています。これは大人も同じです。あまり元気がない時は目を伏せていたり、歌っていないこともあります。礼拝とは別のことに集中している時は、少し顔をしかめるような表情になります。そして、元気な時は自然と目線と口が少し上を向くのです。きっと一生懸命大きな声で歌おうとするからだと思います。子どもたちの目線が少し上に向くと、ちょうど私と目が合う高さになります。一人ひとりと目が合った時のはにかんだ笑顔を見られた時に、元気を分けてもらっているのです。誰かと心を通わせて気持ちを共感することは、子どもたちだけでなく大人にとっても大切な時間です。自分ではない誰かと心を通わせることで私たちは本当の意味で心が元気になっていくと思います。礼拝とは神さまに心を向けるだけでなく、そこにいるみんなとも心を通わせることです。そうして神さまの愛が一人ひとりの心に深くしみとおっていくのを感じます。礼拝を通して大人も子どもたちも元気に、また心が大きく成長していきますように。

チャプレン 菊地 信行
(2025年10月「なかよし」巻頭言)